ストリーミング時代の有益ツール。時代にフィットした心地いい音楽に出会えるディスクガイド「シティ・ソウル ディスクガイド」

僕は、毎日その日の気分に合ったアルバムをApple Musicから1枚選んで聴いてます。それがツイッターでも公開してる「今日の一枚」。

最初はなんとなく、毎月更新してるプレイリスト「BITTER SWEET & MELLOW」の選曲に役立つかなと思ってやり出したんだけど、アルバムを毎日選ぶこと自体がだんだん楽しくなってきて、かれこれもう2ヶ月くらい続けています。そして以前にもこのブログで書いたことだけど、「よい曲を聴いただけで、その日のモチベーションが上がったり、リラックスできたりする」。

やっぱり音楽っていいですね。

その日の気分に合った、心地よい音楽、素敵な作品を見つける方法が僕にはいくつかあります。自分の所有しているアナログレコードやCDのラックからだったり、お気に入りのラジオ番組を聴いたり、ネットやアプリを利用したり。

そしてもちろん書籍からも。雑誌の音楽特集だったり、専門誌など。中でも役に立つのがディスクガイド。1冊の中にある特定の音楽ジャンル(カテゴリー)の膨大な作品のアーカイヴが紹介されている、とても有益なツール。

ストリーミングサービス全盛のいま、ディスクガイドはよい音楽を発見する上で、これまで以上に活用できるものだと僕は感じています。ということで今回は、先日購入した「シティ・ソウル ディスクガイド」を紹介したいと思います。




シティ・ソウル ディスクガイド

シティ・ソウル ディスクガイド」は、音楽雑誌『bmr』の元編集長で、現在はフリーライター、編集者をされている小渕晃氏が編集を担当し、1970年代から2010年代まで50年分の洋楽のソウル、AOR、ブルーアイドソウルの中から「いま聴くべき600枚」を厳選&レビューしているディスクガイド。

レビューを執筆しているのは、小渕晃氏のほか、梶本聡氏(ベイビー・レコーズ)、駒木野稔氏(diskunion、Kissing Fish Records)、関美彦氏(SUNDAY GIRLS)、高木壮太氏(CAT BOYS、井の頭レンジャーズ)、高橋一氏(思い出野郎Aチーム)、林剛氏(R&Bジャーナリスト)、福田直木氏(BLUE PEPPERS)の8名。

限定しすぎないゆるやかな定義

シティ・ポップ」という言葉はよく耳にするけれど、「シティ・ソウル」とはどんな音楽なのか?

本書の「はじめに」の章で、タイトルにもなっている「シティ・ソウル」について小渕晃氏が触れています。「シティ・ソウル」とは、

  1. 制作者の深い音楽知識、リスニング体験をもとに、ソウルとジャズ、ロックなどのクロスオーバーにより生みだされる洗練されたポップ・ミュージック
  2. ヒップホップが世界の音楽シーンの中心にあるいまの観点でセレクトした、ヒップホップ世代にも受け入れられる、ある種のグルーヴを備えた作品

上記の2つのテイストを持ち備え、小渕晃氏言うところの「限定しすぎないゆるやかな定義」に沿ったソウルAORブルー・アイド・ソウルの中から、いまの耳で聴いて心地いい作品をセレクトしたのが本書。

僕も常日頃からそういうジャンルに縛られない、気持ちいい音楽を新しい古いとか関係なく探して聴いていたりするので、こういう捉え方にはとても同感します。

600枚のアーカイヴに加えて

小渕晃氏がベースとなるリストを作成し、それに参加しているライターの方々のおすすめの作品が加えられできた600枚のアーカイヴが、サウンドやスタイルの変化によって時代ごとに区切られた9つの章に分けて紹介されています。

特筆すべきは、紹介しているアルバムの中のおすすめの1曲、いわゆる「キラーチューン」のタイトルをわかりやすく大きく記してくれてるところ。昔の作品だと、どうしても古臭いと感じるサウンドもあるので、こうした配慮はとてもありがたい。

また各章の冒頭に、その時代の日本のシティ・ポップの名盤を10枚ずつ紹介してくれていたり、さらに、冨田恵一(冨田ラボ)、クニモンド瀧口(流線形)、DJ JIN(ライムスター、breakthrough)、G.RINAといったアーティスト/プロデューサーのインタビューが掲載されているのも読みどころのひとつ。

心地いい音楽を見つけよう

シティ・ソウル ディスクガイド」で紹介されている作品の中から、何枚か聴いてますが既にお気に入りとなってるアルバムや曲に出会っています。

もちろんストリーミングサービスにはない作品も中にはあるけど、そういう作品をCDやアナログレコードで見つけ出すのも音楽の楽しみ方のひとつ。

でも間違いなく言えることは、「シティ・ソウル ディスクガイド」から心地いい音楽が必ず見つかるということ。保証します!

 

ジャズが気になる方には、この本がおすすめ

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