僕は、毎日その日の気分に合ったアルバムをApple Musicから1枚選んで聴いてます。それがツイッターでも公開してる「今日の一枚」。
最初はなんとなく、毎月更新してるプレイリスト「BITTER SWEET & MELLOW」の選曲に役立つかなと思ってやり出したんだけど、アルバムを毎日選ぶこと自体がだんだん楽しくなってきて、かれこれもう2ヶ月くらい続けています。そして以前にもこのブログで書いたことだけど、「よい曲を聴いただけで、その日のモチベーションが上がったり、リラックスできたりする」。
やっぱり音楽っていいですね。
その日の気分に合った、心地よい音楽、素敵な作品を見つける方法が僕にはいくつかあります。自分の所有しているアナログレコードやCDのラックからだったり、お気に入りのラジオ番組を聴いたり、ネットやアプリを利用したり。
そしてもちろん書籍からも。雑誌の音楽特集だったり、専門誌など。中でも役に立つのがディスクガイド。1冊の中にある特定の音楽ジャンル(カテゴリー)の膨大な作品のアーカイヴが紹介されている、とても有益なツール。
ディスクガイドって今の時代、とても有益な情報ツールだと思う。以前ならレコードやCDを買わなければ、そこに紹介されてる作品を聴けなかったけど、今ならストリーミンサービスですぐ聴ける (ないものもあるけど) 。いろいろ聴けるという観点で考えるといい時代だなぁ。
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年5月22日
ストリーミングサービス全盛のいま、ディスクガイドはよい音楽を発見する上で、これまで以上に活用できるものだと僕は感じています。ということで今回は、先日購入した「シティ・ソウル ディスクガイド」を紹介したいと思います。
シティ・ソウル ディスクガイド
「シティ・ソウル ディスクガイド」は、音楽雑誌『bmr』の元編集長で、現在はフリーライター、編集者をされている小渕晃氏が編集を担当し、1970年代から2010年代まで50年分の洋楽のソウル、AOR、ブルーアイドソウルの中から「いま聴くべき600枚」を厳選&レビューしているディスクガイド。
レビューを執筆しているのは、小渕晃氏のほか、梶本聡氏(ベイビー・レコーズ)、駒木野稔氏(diskunion、Kissing Fish Records)、関美彦氏(SUNDAY GIRLS)、高木壮太氏(CAT BOYS、井の頭レンジャーズ)、高橋一氏(思い出野郎Aチーム)、林剛氏(R&Bジャーナリスト)、福田直木氏(BLUE PEPPERS)の8名。
これは面白そう。
冨田恵一のインタビューも 600枚紹介の『シティ・ソウル ディスクガイド』 https://t.co/8YMyZOewFn @CINRANETより
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年5月18日
限定しすぎないゆるやかな定義
「シティ・ポップ」という言葉はよく耳にするけれど、「シティ・ソウル」とはどんな音楽なのか?
本書の「はじめに」の章で、タイトルにもなっている「シティ・ソウル」について小渕晃氏が触れています。「シティ・ソウル」とは、
- 制作者の深い音楽知識、リスニング体験をもとに、ソウルとジャズ、ロックなどのクロスオーバーにより生みだされる洗練されたポップ・ミュージック。
- ヒップホップが世界の音楽シーンの中心にあるいまの観点でセレクトした、ヒップホップ世代にも受け入れられる、ある種のグルーヴを備えた作品。
上記の2つのテイストを持ち備え、小渕晃氏言うところの「限定しすぎないゆるやかな定義」に沿ったソウル、AOR、ブルー・アイド・ソウルの中から、いまの耳で聴いて心地いい作品をセレクトしたのが本書。
僕も常日頃からそういうジャンルに縛られない、気持ちいい音楽を新しい古いとか関係なく探して聴いていたりするので、こういう捉え方にはとても同感します。
昔の音楽を懐古主義的ではなく、時代にフィットした感覚で聴く。これはレアグルーヴ、ヒップホップのサンプリング手法そしてDJカルチャーがあったからこそ根づいたものだと思う。僕自身これらのムーブメントを通過してきたから、基本的にそういう音楽の聴き方をしてる。
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年6月3日
600枚のアーカイヴに加えて
小渕晃氏がベースとなるリストを作成し、それに参加しているライターの方々のおすすめの作品が加えられできた600枚のアーカイヴが、サウンドやスタイルの変化によって時代ごとに区切られた9つの章に分けて紹介されています。
特筆すべきは、紹介しているアルバムの中のおすすめの1曲、いわゆる「キラーチューン」のタイトルをわかりやすく大きく記してくれてるところ。昔の作品だと、どうしても古臭いと感じるサウンドもあるので、こうした配慮はとてもありがたい。
また各章の冒頭に、その時代の日本のシティ・ポップの名盤を10枚ずつ紹介してくれていたり、さらに、冨田恵一(冨田ラボ)、クニモンド瀧口(流線形)、DJ JIN(ライムスター、breakthrough)、G.RINAといったアーティスト/プロデューサーのインタビューが掲載されているのも読みどころのひとつ。
心地いい音楽を見つけよう
「シティ・ソウル ディスクガイド」で紹介されている作品の中から、何枚か聴いてますが既にお気に入りとなってるアルバムや曲に出会っています。
もちろんストリーミングサービスにはない作品も中にはあるけど、そういう作品をCDやアナログレコードで見つけ出すのも音楽の楽しみ方のひとつ。
でも間違いなく言えることは、「シティ・ソウル ディスクガイド」から心地いい音楽が必ず見つかるということ。保証します!
【今日の一枚】今日届いた本(ディスクガイド)をパラパラ見てて、とりあえず聴いたことない作品を聴いてみようと選んだアトランタのロックバンド、スターバックのアルバム。ジャケットとタイトルだけなら間違いなくスルーしちゃう作品だろうな。ディスクガイド有難し。
https://t.co/2HCQO3F7gG— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年6月1日
【今日の一枚】今日もディスクガイドから気になった作品をチョイス。70年代に活動した白人・黒人混成バンド、クラッキンの4thアルバム。白人・黒人混成ならではのメロディアスでグルーヴのあるクロスオーバーしたサウンドが秀逸。
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年6月2日
【今日の一枚】今日もディスクガイドから知らなかった作品を選出。カナダのシンガー・ソングライター、リチャード・ステップの79年作。ディスクガイドに「爽快メロウ・グルーヴが楽しめるキラーチューンが2曲」と書かれてて、聴いてみると確かに極上な気持ちよさ。最高。https://t.co/zjouFIPvTf
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年6月3日
【今日の一枚】今日もディスクガイドからチョイス。ブラジル人パーカッショニスト、パウリーニョ・ダ・コスタの79年作。おすすめの1曲で取り上げられてるトロピカルなメロウチューン「Seeing Is Believing」は、確かに気持ちいい。続くインスト「Dreamflow」もかなりいい。https://t.co/YpLFMclMpF
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2018年6月4日
ジャズが気になる方には、この本がおすすめ
ジャズが気になる方には、30、50、70 代と世代の異なるジャズ評論家3人が、15時間に渡ってジャズについて語ったものをまとめた鼎談集「100年のジャズを聴く」がおすすめ。
まずはプレイリスト作りから。120枚の名盤を聴きながら、じっくり読みたいジャズ本「100年のジャズを聴く」