80年代中頃、イギリスで生まれたムーブメント。
レアグルーヴ(Rare Groove)。
ヒットチャートに上ることなく忘れ去られていってしまった音楽(レコード)やリリースされた当時は流行しなかった希少な音源の中から、”いい”曲を発掘(ディグ)し、古い音楽をダンスミュージックとして新しく聴かせ、更には普遍的な価値観までももたらしたジャンルというよりは音楽の聴き方、楽しみ方。
Contents
- 心地よい春の季節に聴きたいファンキーでメロウなレアグルーヴ15曲
- 曲解説
- 1. Ivan “Boogaloo Joe” Jones / Sweetback
- 2. Lee Dorsey / Night People
- 3. Mighty Ryeders / Evil Vibrations
- 4. Jon Lucien / Would You Believe In Me
- 5. Bobby Thurston / Treat Me The Same Way
- 6. Little Beaver / I Like The Way You Do Your Thing
- 7. Lee McDonald / We’ve Only Just Begun
- 8. Foster Sylvers / Misdemeanor
- 9. Caesar Frazier / Sweet Children
- 10. The Gaturs feat. Willie Tee / Concentrate
- 11. Terea / Pretty Bird
- 12. Magnum / Witch Doctor’s Brew
- 13. Faze-O / Riding High
- 14. Don Blackman / Holding You, Loving You
- 15. Penny Goodwin / What’s Going On
- BITTER SWEET & MELLOW : Brilliant Rare Grooves
心地よい春の季節に聴きたいファンキーでメロウなレアグルーヴ15曲
「タイムレスで、心地よいメロウな曲」を選曲して、マンスリーでお届けしているプレイリスト「BITTER SWEET & MELLOW」。
今月は、レアグルーヴという視点から暖かくなってきた春のこの季節に聴きたくなるソウル、ファンク、ジャズファンクを選んでみることにしました。
ということで、今回は心地よい春の季節に聴きたいファンキーでメロウなレアグルーヴ15曲。「BITTER SWEET & MELLOW : Brilliant Rare Grooves」。
曲解説
では、簡単に曲ごとに解説を。
1. Ivan “Boogaloo Joe” Jones / Sweetback
ジャズファンク/レア・グルーヴの名盤として名高いイヴァン・ブーガルー・ジョー・ジョーンズのアルバム『Sweetback』。
【今日の一枚】ソウルジャズを代表するギタリスト、ブーガルー・ジョー・ジョーンズの75年作。タイトル曲を筆頭に捨て曲無しのレア・グルーヴ・クラシックスとして知られる一枚。ほんと名盤。そしてこのエロジャケがまたカッコよすぎる。https://t.co/qH314WHakg
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月19日
タイトル曲の「Sweetback」は、延々と繰り返される漆黒のリズムにブルージーなギターが絡んだメロウ・ジャズファンク。
2. Lee Dorsey / Night People
ニューオリンズ生まれで、元プロボクサーでもあったR&Bシンガーのリー・ドーシー。
【今日の一枚】ニューオリンズ音楽のレジェンド、アラン・トゥーサンのヴァージョンも好きだけど、ソウルIIソウルのジャジー・Bが選曲したコンピに入ってて一気に好きになったリー・ドーシーの「Night People」。こういう曲を見つけるアティテュードこそレアグルーヴの精神。https://t.co/604jiTBaRm
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月6日
この「Night People」は、ディスコ全盛だった78年にリリースされた同タイトルのアルバムに入ってるニューオリンズ・ファンク・クラシックで、オリジナル盤は残念ながらApple Musicにはないんだけど、リー・ドーシーには他にもいい曲がたくさんあるので、ベスト盤を聴くのもオススメ。
3. Mighty Ryeders / Evil Vibrations
マイティー・ライダーズのこのアルバムもレアグルーヴのマスターピースとして知られる一枚。
【今日の一枚】オリジナルは幻の激レア盤で、10万円超えしてたとも言われるマイアミ出身の8人組、MIGHTY RYEDERSのアルバム。再発だけど手に入れられたときは嬉しかったなぁ。大好きなヒップホップグループのあの曲のサンプルネタも入ってるし、これぞモンスター級の作品。https://t.co/rh5PPT7Cg8
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月26日
そのヒップホップ・グループとはデ・ラ・ソウル。「Evil Vibrations」をサンプリングした彼らの大ヒット曲「A Rollerskating Jam Called Saturday」も超いい曲なので是非チェックしていただきたい。
4. Jon Lucien / Would You Believe In Me
カリビアン・ソウル/レアグルーヴの傑作とされるジョン・ルシアンのアルバム『Rashida』。
【今日の一枚】カリブ海出身のシンガー・ソング・ライター、ジョン・ルシアンの73年作のセカンド。カリビアン・レアグルーヴの名曲「Would You Believe in Me」始め、メロウでラテンフレーバーも入ってて、ジャジーでファンキーでソウルフルなサウンド。最高。https://t.co/iTF0dGximn
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月13日
フォーキーでジャジーなメロディーと低めの渋いヴォーカルで後半にかましてくれるスキャットが、やたらとカッコいい1曲。
5. Bobby Thurston / Treat Me The Same Way
モダン・ソウルのレア盤とされてるボビー・サーストンのアルバム『Sweetest Piece Of The Pie』。
【今日の一枚】モジュレーションスのメンバーでもあったプロデュ-サ-チ-ム、ウィリー・レスター&ロドニー・ブラウンが手掛けてるワシントンDC出身シンガー、ボビー・サーストンの78年作。スウィート、メロウ、グルーヴィー、三拍子揃ったレア・モダン・ソウルの名盤。https://t.co/c8XNnKKDOl
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月2日
ウィリー・レスター&ロドニー・ブラウンの見事なプロデュース・ワークが光る捨て曲なしと言えるこのアルバムの中でも、この上なくスウィートな1曲がこの「Treat Me The Same Way」。
6. Little Beaver / I Like The Way You Do Your Thing
マイアミ産ソウルを聴くなら避けては通れないのが、このリトル・ビーヴァー。
【今日の一枚】ギタリストとして引く手数多だったリトル・ビーヴァー。この76年作とその前年『Party Down』は本当甲乙付け難いほどの秀作。70年代のマイアミって、レーベル、プロデューサー、アーティスト、バンド、ミュージシャンともに優れた才能が集まってたんだなぁ。https://t.co/HChC7kyNwK
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月11日
ホントこの人いい曲ばかり作るんだけど、今回はその中からマイアミならではのゆったりしたリズムが心地いいヤング・ソウルの名曲「I Like The Way You Do Your Thing」。
7. Lee McDonald / We’ve Only Just Begun
レアグルーヴ音源をいろいろディグってて、最近知った作品。
【今日の一枚】リー・マクドナルドというソウル・シンガーが、81年に発表した唯一のアルバム。「I’ll Do Anything for You」「We’ve Only Just Began」の2大カヴァーに加え、極上メロウソウル「Sweet Magic」など春のこの季節にピッタリな気持ちよすぎる一枚。https://t.co/hvY20lUL65
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月12日
エクスタシー・パッション&ペインの「I’ll Do Anything for You」やロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムズの名曲「We’ve Only Just Began」のカヴァーだけでなくオリジナル曲も最高。出会えてよかったと思える1枚。
8. Foster Sylvers / Misdemeanor
マイケル(ジャクソン)もそうだけど、キッズソウルってホントいい作品が多い。
【今日の一枚】メンフィス出身のファミリー・グループ、ザ・シルバーズの末っ子、フォスター・シルヴァーズのソロ作。『Ultimate Breaks & Beats』にも収録されてるオールドスクールクラシックスとしても有名な1曲目の「Misdemeanor」から超ゴキゲンなキッズソウル作品。https://t.co/0LbhkDGg3f
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月8日
レアグルーヴというよりもオールドスクールクラシックスとしてヒップホップ初期からDJ達に愛され続けている「Misdemeanor」。ミックステープ(もちろんカセットテープ)でもよく聴いた1曲。
9. Caesar Frazier / Sweet Children
レア・グルーヴ・ムーヴメントで再評価されたミュージシャンの一人として知られるシーザー・フレイジャー。
【今日の一枚】インディアナポリス出身のオルガン奏者、シーザー・フレイジャー。ファースト、セカンドともに素晴らしい内容でそれがカップリングで聴けるなんて最高。どちらもグルーヴィー、ファンキー、メロウ、全てが詰まったレアグルーヴ、ジャズ・ファンクの名盤。https://t.co/m4cGGtU3rO
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月19日
ハモンドオルガンの音色が気持ちいい「Sweet Children」は、ヒップホップ・アーティスト、コモンの2005年にリリースされたアルバム『Be』に収録されている「Real People」ネタとしても知られてる。
10. The Gaturs feat. Willie Tee / Concentrate
ニューオーリンズ・ファンクの草分け的存在の一人としても知られるウィリー・ティー。その彼が率いていたのがゲイターズというグループ。
【今日の一枚】ニューオリンズ音楽の重要人物として知られるキーボーディスト&シンガー、ウィリー・ティー率いるグループ、ゲイターズの数少ない録音を集めたコンピ。ニューオリンズらしい土臭さの中にもジャズファンクっぽいメロウで洗練されたサウンドが。必聴盤。https://t.co/ozSDxC8pu8
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月25日
この作品集の中でもとびきりメロウなモダン・ソウル・テイストの曲が、この「Concentrate」。
11. Terea / Pretty Bird
実は、これも最近知った1枚。
【今日の一枚】究極のメロウ・レア・グルーヴと評されてる「Pretty Bird」が収録されているテレアの77年作。そうした評価に違わないほんと名曲だし、他の収録曲もメロウで心地良いグルーヴの曲ばかりなので、ぜひ一度聴いてみてほしい作品。https://t.co/U9QZJEBnQ7
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月21日
オリジナルは何十万クラスのレア盤と言われグループの詳細もよくわからないけど、メロウ好きなら聴いて絶対損はしない作品。
12. Magnum / Witch Doctor’s Brew
レアグルーヴの金字塔的作品と称される名盤。
【今日の一枚】たった一枚で姿を消したフィラデルフィアのファンク・バンド、マグナムの74年作。ブラックムーヴィーのサントラ風なジャケから漂うB級感、それを裏切らない黒いファンクサウンドが展開されてる中にエレピが心地よいいメロウな曲が入ってたりするから堪らない。https://t.co/ECTjvK7cxF
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月24日
身を委ねたくなるようなクールなベース・ラインの上を漂うエレピ、それに絡みつくように奏でられるホーン。メロウの極みのようなジャズファンク・チューン。
13. Faze-O / Riding High
最高に気持ちいい曲と言い切ってしまえるほど素晴らしい1曲。
【今日の一枚】オハイオ・プレイヤーズの弟分的なバンド、フェイズ・Oのデビュー作。NYのヒップホップグループ、EPMDがサンプリングしてて知った1曲目の「Riding High」は、何度もリピートして聴きたくなるスペイシーなメロウソウル・クラシック。最高。https://t.co/US4Bsmb4eK
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年2月28日
とにかくこの浮遊感は一度聴いたら忘れないはず。クラシックと呼ぶに相応しい作品。
14. Don Blackman / Holding You, Loving You
ドン・ブラックマンの「Holding You, Loving You」もメロウ好きには必殺の1曲。
【今日の一枚】NY出身のクロスオーヴァー・ジャズ鍵盤奏者でシンガーのドン・ブラックマン。コズミックなファンクと 都会的なフュージョンサウンドが絶妙に融合したこのアルバム、中でも「Heart’s Desire」と「Holding You, Loving You」はメロウ好きなら必聴の名曲。https://t.co/CXDJtXLxGL
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月1日
洒落たピアノのイントロに続く絹のように極めの細かいサウンド・アレンジ。究極のメロウ・フュージョン/ファンク。
15. Penny Goodwin / What’s Going On
このマーヴィン・ゲイ・カヴァーは最高!
【今日の一枚】ミルウォーキー出身のシンガー、ペニー・グッドウィンの74年作。マイナーレーベルから出たオリジナルは2000枚しかプレスされなかったレア盤だけど、ソウル、ジャズ、ブルースが滑らかに溶け込んだ内容が素晴らしい。特に「What’s Going On」のカヴァーは秀逸。https://t.co/F7QjsCrLFe
— KENNET@DAILY STANDARD (@kennet_64) 2019年3月3日
ジャジーなイントロに始まりソウルフル〜ゴスペルっぽく展開していくサウンド・アプローチが本当素晴らしい。「What’s Going On」のカヴァーは何曲も聴いてるけど、これほどオリジナリティ溢れる作品は他にないかも。
BITTER SWEET & MELLOW : Brilliant Rare Grooves
ということで、今回は心地よい春の季節に聴きたくなるファンキーでメロウなレアグルーヴを15曲セレクトしてみました。
そして今回も、Apple Musicに加入していない方々のためにYoutubeのミックスリストを作ったので、そちらでもよかったらチェックしてみてください。