ソウル、ファンク、ディスコ好きなら聴くべきメロウなブラジリアン・グルーヴ15曲。BITTER SWEET & MELLOW : Brazilian Groove【プレイリスト】

ソウル、ファンク、ディスコ好きなら聴くべきメロウなブラジリアン・グルーヴ15曲。BITTER SWEET & MELLOW : Brazilian Groove【プレイリスト】

2018年9月24日

One Nation Under A Groove“。

Pファンクの創始者、ジョージ・クリントン率いるファンク・グループ、ファンカデリックの代表的な作品のひとつ。僕はこの曲が大好きです。

曲自体もさることながら、このタイトルが好き。好きというか、僕が音楽を聴く上での指標のようなものと言っていいかもしれない。

直訳すると「ひとつのグルーヴの下にひとつの民族(国家)」。この曲の中ではファンクミュージックの持つグルーヴに対するアンセムになっているのだけれど、僕なりにこの言葉をもう少し広義に解釈すると、共通するグルーヴを持った音楽というのは、国や地域、時代やジャンルを超えたある意味でひとつの仲間(民族)のようなものであること。

僕にとって、音楽の共通言語。

それは、Groove(グルーヴ)

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ソウル、ファンク、ディスコ好きが聴くべきメロウなブラジリアン・グルーヴ

古くはジャズに始まり、ソウルファンクディスコなどのブラックミュージックが世界中に広まり、その国や土地の伝統的な音楽と融合して独特なスタイルの音楽が生まれました(ロックも然り)。

言いかえるなら、ブラックミュージックが蒔いた種が新たな土壌で育まれ、それまでと違った色の花を咲かせたかのよう。

そのというのが、僕はGroove(グルーヴ)なんだと思う。気持ちいいと感じる音楽の持つ本質的な部分、いわば根っこのようなもの。

ということで今回紹介したいのは、ブラジル音楽

ショーロサンバボサノヴァなど伝統的な音楽にさまざまな音楽の要素が加味されて、MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)など数多くの新たなスタイルを生み出し続けている音楽の宝庫

中でも、ソウルファンクディスコのエッセンスが注入されたブラジル音楽には、素晴らしいグルーヴを持つ作品が恐ろしくなるほど沢山あります。その中から心地よくて爽快でメロウなブラジリアン・グルーヴを15曲お届けしたいと思います。

ソウルファンクディスコ好きには是非聴いてもらいたいプレイリスト「BITTER SWEET & MELLOW : Brazilian Groove」。

曲解説

では、簡単に曲ごとに解説を。

1. Gilberto Gil / Palco

ブラジルのポピュラー音楽、MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)の最重要人物の一人、ジルベルト・ジル

60年代後半から現在に至るまで、常に時代を投影した様々なサウンドを取り入れてきた彼の作品の中でも、ファンクやディスコそしてレゲエの要素が盛り込まれてる70年代後半〜80年代にかけて発表された作品は、今聴いてもとてもヴィヴィッドに感じる。

2. Junior Mendes / Copacabana Sadia

ブラジルのSSW(シンガーソングライター)、ジュニオール・メンデスことルイス・メンデス・ジュニオールが残した唯一のアルバムにして、ブラジリアン・ソウル/ディスコの名盤

アルバム全体に漂うブラックコンテンポラリー〜AORフレイヴァー。その中でもアルバム・タイトル曲として1曲目に収録されているライトなファンク・チューン「Copacabana Sadia」がおすすめ。

3. Marcos Valle / A Paraiba Nao e Chicago

ボサノヴァの貴公子」とも称されるブラジルのシンガーソングライターでギタリスト、キーボーディスト、マルコス・ヴァーリ

メロウ&グルーヴィーな名曲を多数世に送り出したアーティスト/ソングライター/プロデューサーのリオン・ウェアをプロデューサーに迎えた81年作『Vontade De Rever Voce』の1曲目に収録されている「A Paraiba Nao e Chicago」。この曲はリオン・ウェア自身のアルバム『Rockin’ You Eternally』に別ヴァージョンもあるので、お試しあれ。

4. Os Originais Do Samba / Ginga De Baile

1960年にデビューしたブラジルのコーラス・グループ、オス・オリジナイス・ド・サンバ

サンバの魅力のひとつでもあるユニゾンのコーラスとゴージャスなオーケストラ・サウンドが気持ちよくハマってる爽快なブラジリアン・ソウル曲。

5. Carlos Dafe / Hello Mr.Wonder

70〜80年代にかけて活躍したブラジルの黒人SSW、カルロス・ダフェ

1曲目冒頭のドラムブレイクから引き込まれるデビューアルバムに収録されている「Hello Mr.Wonder」は、タイトルからも分かる通りスティーヴィー・ワンダーを意識した爽快なメロウ・ソウル。

6. Lady Zu / Novidades

ブラジルのディスコ・クイーンと呼ばれるシンガー、レディー・ズー

この「Novidades」は、ブラジルのSSW、ペニーニャの77年作『Sonhos』に収録されている曲のカヴァーで、ギターのカッティングが心地いいファンキーな1曲。

7. Sandra De Sa / Pela Cidade

80年代から活躍するブラジリアン・ソウル/R&B女性シンガーの、サンドラ・ヂ・サー

グルーヴィーなリズムに軽快なホーンのフレーズが絡むブラコン風アーバン・メロウな1曲。

8. Alexandre Grooves / Sou Louco Por Ela

2007年にブラック・コンテンポラリーの要素を取り入れたサンバ・ソウル作『Amanha Eu Nao Vou Trabalhar(邦題:明日は休もうよ)』で話題となったサンパウロ出身のSSW、アレシャンドリ・グルーヴィス

10年ぶりのセカンド・アルバム『MULTI』に収録されている「Sou Louco Por Ela」。サウンド的にはブラジル音楽的要素はあまりないけど、爽快感溢れる美しいメロディーとコード進行にブラジル〜サンバの影響をしかと感じさせるグルーヴィーな1曲。

9. Banda Black Rio / De Onde Vem

ブラジルのEW&F(アース・ウィンド&ファイアー)との異名も取るファンクバンド、バンダ・ブラック・リオ

ジルベルト・ジルのバックバンドも務めていた彼ら。名盤のファースト『Maria Fumaca』やツイートしたセカンド『Gafieira Universal』も素晴らしいけど、今回のプレイリストでは更にメロウ度が増したサード・アルバム『Saci Perere』の中からEW&Fばりのハーモニーとキレの良いホーン・アレンジが光る「De Onde Vem」をチョイス。

10. Robson Jorge & Lincoln Olivetti / Aleluia

プロデューサー/アレンジャーとしてブラジルの多くのアーティスト達の作品を手がけてきたホブソン・ジョルジリンコルン・オリヴェッチ

オリジナル盤は200ドル以上すると言われる二人名義唯一のアルバムは、この「Aleluia」の他にも名アレンジャーならではの多彩なサウンドを堪能できる必聴作。

11. Emilio Santiago /Bananeira

ブラジルのナット・キング・コール」とも呼ばれるリオ・デ・ジャネイロ出身の男性シンガー、エミリオ・サンチアゴ

ブラジリアン・レアグルーヴの名曲として知られる「Bananeira」。ドス黒いファンクネスについループして聴きたくなる覚醒感のある1曲。

12. Tony Bizarro / クレッセント・ナイト

もう1曲ブラジリアン・レアグルーヴの名曲を。1977年にリリースされたトニー・ビザロのソロ名義としてのファースト・アルバム『Nesse Inverno』に収録されている「Nao Vai Mudar」。

USファンク・マナーなバックトラックに、トニー・ビザロのソウルフルなヴォーカルが見事にマッチしたクール&ファンキーな1曲。

13. Cassiano / Onda

コンポーザーであり、シンガーであり、ギタリストでもあるブラジル人アーティスト、カシアーノ

心地よいグルーヴのベースラインに乗るファルセット・ヴォーカルが気持ちよすぎるサウダージ感溢れる1曲。ちなみに「Onda」とポルトガル語で「」のことで、聴けばなるほどと思うはず。

14. Arthur Velocai / Bis feat. Azymuth

個人的に、ブラジル音楽の奥深さを痛烈に感じた作品のひとつ。

そのアルバム『Encore』に収録されているブラジルを代表するのジャズ・ファンク/クロスオーバー/フュージョントリオ、アジムスと共演した「Bis」。メロウ・ソウルの名曲。

1. 南佳孝 / クレッセント・ナイト

最後は、ファンキーなブラジリアン・ディスコ

サンパウロの若手ジャズ・ドラマーで、作曲家、プロデューサーとしても活躍するトゥト・フェハス率いるサンバ・ソウル〜サンバ・ホッキのグループ、グルーヴェリアの『Moto-Continuo』もアルトゥール・ヴェロカイのアルバム同様、ブラジル音楽と様々な音楽要素が見事に融合した素晴らしい内容の作品。その冒頭を飾っているのが、この「Funky Nite」。

BITTER SWEET & MELLOW : Brazilian Groove

ということで、今回はメロウなブラジリアン・グルーヴを15曲セレクトしてみました。

これまでそれほど集中的に聴いてこなかったブラジル音楽だけど、正直言って「宝の山」を発見したような気分。本当に素晴らしい作品がたくさんあるので、よかったらプレイリストを聴いてみてください。

そして今回は、Apple Musicに入っていない方々のためにYoutubeミックスリストを作ってみました。

1曲目のジルベルト・ジルの「Palco」だけでもまず聴いてみてください。その曲が気に入ったら、このプレイリストに入ってるどの曲も気に入ってもらえると思いますよ!

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神奈川県川崎市在住。職業は、庭師(植木屋)。「リラックス&チル」をテーマに、園芸にまるわるコトやシンプルでデザイン&機能性に優れたモノやツール、居心地のいい場所やお店、メロウで心地よい音楽などを独自の「目利き」で発信中。