ジム・ジャームッシュ監督作「パターソン」は、優しい良薬のような映画だった。【Blu-ray】

こんにちは、kennet64です。

先日、こんなツイートをしました。

このツイートをした理由(わけ)は、ジム・ジャームッシュの映画「パターソン」を観たのがきっかけ。昨年夏に劇場公開されていたのだけど、何故かタイミングが合わず行きそびれてしまい先日DVDとブルーレイが発売されたので早速ブルーレイを購入してみた次第。

結論から言ってしまうと、とても素敵な映画。ほんのりと心が豊かになったような、なんとも言えない幸福感に包まれる、そんな作品です。




”パターソン”に住む”パターソン”という名の男の7日間の物語

パターソン」は、ジム・ジャームッシュの監督作としては4年ぶりとなる作品。

物語の舞台は、ニュージャージー州パターソン。主人公はこの街に住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬マーヴィンとともにこじんまりとした家に住んでいる彼は、毎日決まった時間に起きて仕事に向かい、市内の決まったルートをバスで走る。帰宅したら妻と夕食を取って、愛犬と夜の散歩に出かけ、いつものバーへ立ち寄り、ビールを1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。パターソンの唯一と言える趣味が、詩を書くこと。

そんな淡々とした同じような毎日を過ごす、ごくありきたりの男の1週間をジャームッシュは、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などの初期作品を彷彿させるような、シンプルでミニマルな映像美で撮らえているのが。この映画。

一見すると変わりない日常の中の何気ない出来事。例えば、ベッドで二人が寝ているシーン、バーでの知人たちとの触れ合い、路上で出会う少女とのおしゃべり、バスの車窓から見える景色や乗客たちの会話、パターソンのお気に入りの公園にある滝の風景、そんな映像の断片が主人公の書く詩とともに情感的に紡がれていて、それがとても美しい。

そして物語の終わりに登場する俳優、永瀬正敏の演技がまた素晴らしい!「ミステリー・トレイン」以来、27年ぶりにジャームッシュ作品に出演したわけだけど、なんでもジャームッシュは永瀬正敏を想定してその役の脚本を書いたとか。

毎日が新しい日

毎日が新しい日」。映画の中で、バーでの馴染みの知人が主人公と通りで会ったときに口にするセリフ。

僕自身そうなんだけど、単調な毎日を送っていると、いつもと違うこととか何か面白いことを探してみたり、期待してしまいがち。だけどそんなありふれた日常をよく見直してみると、実は繰り返しのように思えるものの中にも新たな出来事や発見がいっぱいあるわけで。

そんな「気づき」をこの映画「パターソン」が、教えてくれてる気がします。それも、さり気なく押し付けがましくなく、しかも詩的に。

そして更に言うと、主人公パターソンとその妻ローラの二人が、自分にとってのアウトプットをしっかり持っているということ。パターソンは見たもの感じたことを詩に綴り、ローラは自身の創作意欲を部屋のインテリアや洒落たカップケーキを作ることに。

つまりは、「感じる」ことの大切さ。感じたことによって生まれるインプット、そして得たものから自分なりのアウトプットをすること。身体もそうだけど、食事をし栄養を吸収して余計なものは排出する。要は自分なりのサイクルを持っている人はメンタルもフィジカルも豊かになれる、そんなメタファーを僕はこの映画を観て感じました。

初回限定の特製スリーブケース

パターソン」の初回盤ブルーレイは、特製スリーブケース&デジパック仕様(DVDも同じく)。マットな質感のシンプルなデザインのスリーブケースがジム・ジャームッシュ作品のイメージと合っていて、思わずリビングの棚とか手の届くところに置いておきたくなる。

7連のポストカード

そして初回限定盤の特典として付いてくる、7枚の連なったポストカード。

これらは、すべて映画のワンシーン。ジャームッシュの映画というのは、静的な構図が多いので、こうして写真になっても「絵」になる。このままフレームに入れて飾っておくのもいいかも。

優しい良薬のような映画

「良薬口に苦し」という諺があるけれど、映画(や音楽)って心(メンタル)に優しい良薬なんだなって「パターソン」を観てあらためて思いました。ときに甘く、ときに切なく、、。いろいろな効能がありそう。

当分の間、この薬は効きそうだけど、既にまた観たくなってる自分がいます。

 

 

おまけ。

映画中の中で、主人公のパターソンが毎日仕事場に持っていくSTANLEYのランチボックス・セット。これがカッコよすぎて、つい欲しくなってしまいました。

ではまた。

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