植物と鉢。黒松の盆栽とHACHILABOの「安善POT」

植物と鉢。黒松の盆栽とHACHILABOの「安善POT」

2020年4月30日

鉢映り」という言葉をご存知ですか?

これは、鉢と植物の組み合わせの相性を示す盆栽用語で、盆(鉢)栽(植物)が一体となった緑の芸術と言われる盆栽の世界では、この「鉢映り」のよさがその良し悪しを決める条件のひとつでもあります。

盆栽に限らず、この考え方はコーデックス多肉植物好きの間では随分前から当たり前のようになってて、インスタグラムなんかをチェックすれば、「鉢映りのいい」たくさんの植物の写真に出会えたりします。

僕もコーデックス多肉植物だけでなく、オーストラリア原産のネイティブプランツなんかもお気に入りの鉢に植え替えて、それを「植物と鉢」というシリーズで記事をポストしてますが、自分なりに「鉢映りのいい」植え替えができた植物は、さらに愛着が湧いて育てるのも楽しくなります。

ということで、今回は初めて購入した盆栽を植え替えしてみたので、選んだ植木鉢のこと、使う道具や手順についてまとめおきたいと思います。

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植え替えを終えた黒松の盆栽

こちらが、植え替え終えた黒松の盆栽

盆栽の植え替えの手順をリストアップすると、以下のようになります。

  • 気に入った樹形の盆栽を園芸店などで見つける
  • 「鉢映り」の良さそうな植木鉢を探す
  • 鉢の準備をする
  • 用土を準備する
  • 根を整理する
  • 鉢に植えつける
  • コケを張る

近所の園芸店で見つけた黒松

盆栽にもいろいろ種類がありますが、マツシンパクスギなど常緑の針葉樹は「松柏類」と呼ばれています。

他には花を楽しむ「花もの」、実のなる「実もの」、四季折々の見所がある落葉樹を中心とした「雑木類」などがあります。

この黒松は、偶然見つけた園芸店で1,000円弱ほどのもの。話を聞いたらお店のおばさんが仕立てたそうで、ちょっと荒々しいところもあるけど、樹形が気にって購入しました。

盆栽を扱ってる園芸店が近所にない場合は、ホームセンターの園芸コーナーに結構売ってるのでそちらがおすすめかと思います。もし近くに盆栽園があったら買わなくても一度のぞいてみるといいでしょう。

HACHILABOの安善POT

今回、黒松の植え替えに選んだ、HACHILABO植木鉢

HACHILABO(8labo)は、オーナーである赤松宏樹さんの植物好きの趣味が高じて、2019年8月にスタートした植木鉢ブランド

その商品は、植物と共存することによってお互いの個性が出るような、シンプルでいて味のあるデザインやフォルムが特徴。

塊根植物・観葉植物の植木鉢専門店 「HACHILABO - ハチラボ- 」

HACHILABO(ハチラボ)では共存しながらお互いの個性を生かす。 そんな「名…
www.8labo.jp

HACHILABOのハンドメイドで作られた安善(やすよし)というシリーズの植木鉢。

その名のとおり、安くて善い鉢。値段は、2,200円でした。

2.5号なので、口径外寸約10.5cm、高さ約5.5cmほどのサイズ。

鉢底の穴も排水性を考慮して、適度な大きさ。

安善(やすよし)シリーズは、16種類あるので、植える植物によってタイプを選べるのもありがたいところ。

植え替えに使う道具

植え替えに使った道具は、以下の通り。

  • 鉢底ネット
  • 土入れ
  • ステンレス箸(竹串や普通の箸でも可)
  • 移植ごて(細かい作業に使用、なくてOK)
  • ピンセット(コテのあるもの)
  • アルミワイヤー(1.5mmのものを使用)
  • ペンチ(もしくはやっとこ)
  • ニッパー(もしくは針金切りバサミ)

植え替え方法

まずは、鉢の準備

鉢穴より一回り大きく切った鉢底ネットにピン状に曲げたアルミワイヤーを通します。

鉢底穴アルミワイヤーを通した鉢底ネットでふさぎます。

鉢底からはみ出したアルミワイヤーは、余計な部分は切って固定します。

短く切ったアルミワイヤーに、鉢の口径の2〜3倍の長さのアルミワイヤーを巻きつけて、根を固定するための根留めを作ります。

巻き終えたら、鉢底穴から根留めを差し込みます。

根留めを鉢の外側にくるようにしておきます。

用土を準備します。

今回使用したのは、赤玉土桐生砂の2種類。

赤玉土だけでもいいのですが、過湿を嫌う松柏類にはさらに水はけがよくなる桐生砂を混ぜるとよいと言われています。

買ってきた用土は使用する前に、ふるいにかけて大きさを揃えておきます。それは粒を揃えることで、通気性、排水性をよくするため。

鉢底に、小粒の赤玉土を1/5程度敷き、その上に極小粒の赤玉土と桐生砂をブレンドした用土を中央を少しだけ盛り上げて入れます。

ちなみに赤玉土桐生砂の割合は、6:4にしました。これは育てる環境にもよると思います。

用土の準備が完了したら、買ってきた苗木の根を整理します。

まずはそれまで植えられていた鉢から、根鉢を取り出します。植えられてる年数の長いものは、取り出しにくくなっているので、その際は鉢と根鉢に間にステンレス箸をさして空間を作り持ち上げるようにします。

ステンレス箸で、根をほぐしながら根鉢の古い土を落としていきます。

古い根を切って、1/3程度残します。

根の整理が済んだら、いよいよ新しい鉢への植えつけです。

直立ではなく、少し傾けたい場合は、その角度を気にしながら苗木に手を添えた状態で、鉢と根の間に用土を入れていきます。

その際、ステンレス箸でつついてすき間をなくします。

用土が、ある程度入った状態。

鉢縁近くまで、用土を入れたら根をアルミワイヤーで留めます。

ねじって余った部分は、ニッパーでカットします。

この後に、鉢底から流れ出る水が透明になるまでたっぷりと水やりします。

仕上げにコケを張ります。

小さくちぎったコケピンセットで用土に押しつけながら張っていきます。

最後はピンセットコテで押して定着させます。

これで作業は、おわり。

植え替えた後にやるべきこと

ということで、黒松の盆栽HACHILABOの「安善POT」に植え替えてみました。

今のままでもいい雰囲気なのですが、より自分好みに仕立てていくのも、盆栽の楽しみ方のひとつ。

芽摘み、芽切り、芽かき、葉すかしといった剪定作業や理想の樹形を目指した針金成形にこれから着手したいと思います。

植物と鉢。バックナンバーはこちら

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神奈川県川崎市在住。職業は、庭師(植木屋)。「リラックス&チル」をテーマに、園芸にまるわるコトやシンプルでデザイン&機能性に優れたモノやツール、居心地のいい場所やお店、メロウで心地よい音楽などを独自の「目利き」で発信中。